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2019年1月 5日 (土)

あなたと食事がしたい

 【あなたと食事がしたい】  医学博士、斎藤茂太さん
みなさんはご存知だろうか。
大勢集まってテーブルを囲んで仲良く談笑しながら食事する。
これは人類だけの特権である。

99パーセントの動物は「共食(きょうしょく)」をしないそうだ。
チンバンジーがいくらか共食することがある程度。
あとは、サルでもエサを持ったらサッと仲間から離れて、ひとりで食べる。
のんびりしていて、他のサルに取られてしまってはたいへんだ。
これは自己防衛本能の表れである。

人間の場合、人といっしょに食事をしなくなったら要注意。
心の病の始まりのサインだ。

家族の食事が終わってから自分の部屋から出てきて、ひとりでゴソゴソと冷蔵庫を探っている。
また、会社で同僚といっしょに昼食を食べに出かけずに、いつもひとり。
こうして「孤立」を続けていると、だんだんと他人がコワクなってくるものだ。
そのうちに、会社に行くのもコワイ、学校に行くのもコワイ、人とつきあうのがコワイ…と、
どこへも出かけられず、ひとりで閉じこもってしまう。

私の病院にも食堂があるが、重症の患者さんは食堂にも出られない。
部屋でひとりで食事をする。
少しよくなれば食堂に行くが、食堂でも隣の人にわきめもふらず、ひとりで黙々と食べている。
もう少しよくなると、隣に座った人としゃべれるようになる。
もっとよくなれば、談笑できる。
仲間といっしょに食卓を囲んで談笑する。

普通の人から見れば何でもないことだろう。
それがこんな重要な意味を持っているのだ。
食べているときは、リラックスした状態だ。
楽しい会話ができて、「いっしょに食事をしたい」と思う人は、感じのいい人といえる。

反対に、
「あの人といっしょでは、せっかくのおいしい食事もまずくなる」
と敬遠したくなる人もいる。
食べているときにも、人の悪口、批判を絶やさない人。
やれ、この餃子はまずいだの、どこそこの店のほうがずっとおいしいだのと、うるさい評価をする人。
どんなにおいしいレストランでも、この人といっしょに食べるくらいなら、
そのへんのそば屋で感じのいい人と食べるほうがずっとおいしい。
 『なぜか「感じのいい人」 ちょっとしたルール』  知的生き方文庫

旅は、どこへ行くかよりも、誰と行くか。
食事は、どこで食べるかよりも、誰と食べるか。
人生は、どこで暮らすかよりも、誰と過ごすか。
どんなに素敵で有名なレストランであろうが、気分の悪い人と一緒なら台無しになる。
何をするのにも、誰と一緒なのかが大事。
あなたと食事がしたい、と選ばれる人でありたい。

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